箱根×紅葉の思い出3 小さな手
はからずも息子の機嫌を直してくれた箱根神社に
当然お参りをしようということになりました。
「はいお金もって。この箱に落として。手、はなして。
お手手ぱちぱちして。どーも、して。」
数多くの指示が飛びます。おとなしくこなす息子。
ぺちぺち、としめったちいさな音がします。
やっていることの意味は分からなくても、
いつもと違う雰囲気を感じ取っているようです。
神社を後にして、お参りでの緊張の反動でしょうか
息子は坂を勢いよく下り始めました。
あぶないあぶない。
父がディフェンスのように坂の下側で手を広げています。
ふと、
ひとり坂の上に残された私の目に入って来たのは、
正午の日差しと森がつくったコントラストの中にある
手のひらのような黄色いもみじ。
ほんとに、子どもの手のひらみたいだ。
あわせたらぱちぱち音がしそう。
息子の手のひらは、もみじよりもっと大きい。
でも改めて見ると、やっぱりまだ小さい。
まだまだ大事にしなさい、そう言われているようです。
その後、やっと入ったおそば屋さんで、
いまひとつな天丼なぞ食べたわたしたちは
早めに宿に向かうことにしました。
つづく
by yufuin-no-mikan
| 2012-11-10 11:49
| 井の頭線