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フィギュアスケートと振り子特急 Akiko and SuperŌzora 

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昨日のNHK杯フィギュアスケート、フリースケーティング。

男女ともにミスなく滑りきった選手は少なく、
氷につまづく、ひっかかるといったシーンもみられ
ベストが発揮できなかったようなのは、残念でした。

しかしお客さんの「がんばれー」という励ましの拍手、
声援は暖かく感動的でした。

そんな中、個人的に素晴らしい出来だったと思うのは
鈴木明子選手。
音楽はシルクドソレイユのO(オー:水)ですが、
振付のテーマは「鳥」。
小鳥のさえずりで演技がはじまり、次第に大きく羽ばたき
ラストには雄大に大空を飛んでいくような、
素敵な振り付けです。

とりわけ二つのステップシークエンスには度肝を抜かれました。
鳥を想い起こさせる独特な振付、伸びやかな動きももちろんですが、
氷を滑っていくエッジの傾き、一歩の伸び、スピードの凄さ。

カーブをぐんぐん駆け抜けていく、青と緑のコスチュームに
白銀の大地を走るあのディーゼル特急を思い出しました。
JR北海道の振り子特急「スーパーおおぞら」。

直線でスピードを出すことは簡単ですが、
いくつもカーブが続くところをスピードを落とさずに走ることは難しい。
振り子式車両は、カーブで車両が内側に傾くため
遠心力が吸収され、高速かつ安定した走行ができるのだそうです。

実際に会場で見ないと、本当にはわからないとは思うのですが、
テレビの画面を通じても迫ってくるような、
カーブごとにむしろ加速しているかのようなスケーティング。
そんな鈴木選手の足元に、振り子特急を重ね合わせてしまいました。

大学時代を過ごしたという思い出の地、仙台での試合。
スコアは思うほどに伸びず、得点発表後は表情が少し
曇りがちのようでしたが、素晴らしい演技だったことは
仙台のお客さんが証明していましたね。

まだシーズンも前半。クライマックスに向けてさらに
自由に大空を羽ばたいてくれることでしょう。