人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ローマ・オペラ座に高橋大輔を想う

ローマ・オペラ座に高橋大輔を想う_b0271141_0445530.jpg
これはローマのオペラ座(Teatro dell'Opera di Roma)です。

なぜこの写真を引っ張りだしてきたかと言うと
全日本フィギュアスケート選手権のフリーで
高橋大輔選手の「道化師」を見たからです。

オペラ「道化師」は、映像で見たことがあります。
旅回り一座の座長であるカニオ。
女優で妻のネッダは色男の役者と浮気をしています。
嫉妬にかられたカニオは、狂気の中で
芝居と現実の境目がわからなくなり、
最後には二人を殺してしまうという悲劇です。

ひたすら広がる、冷たく色彩のない氷の上に
黒に身を包んだ高橋選手が現れました。
重厚な始まりの音で幕が上がると、後はもう見入るだけ。
逃れられません。

そこにいるのはカニオなのか高橋大輔なのか。
この表情は、生身の感情なのか、演技なのか。
見ている側も芝居と現実の境目がわからなくなるほどです。
ローマ・オペラ座に高橋大輔を想う_b0271141_721679.jpg

15歳で世界ジュニアチャンピオンになり
世界の第一線で戦い続けながら
練習拠点やコーチの変更、膝の大怪我など
数々の試練を乗り越えてきた高橋選手。

その蓄積されてきた彼のスケートの歴史の重み、
演技の重みが、古代都市ローマと重なりました。
ローマは一日にして成らず、ではないですが、
この道化師は高橋選手にしか演じられないもの。
間違いなく歴史に残る名演でした。

私が数年前、このオペラ座に行った時、
背伸びをしてオペレッタを見たのですが
もったいないことに時差ぼけで、夢うつつのまま
終わってしまいました。

いつかリベンジしたい。
十分に睡眠を取って。

ちなみに今年の12月25日の上演は
バレエ「白鳥の湖」だとか。
切っても切れない、銀盤と歌劇場の関係なのでした。